第1章:コーディングってどんなお仕事なの?
コーディングとは、コードを書くということ
コーディングとは、簡単にいうと「ソースコードを記述して、動作や表示を実現する作業」です。
HTMLやCSS、JavaScriptなどのプログラミング言語(正確にはHTMLとCSSはマークアップ・スタイルシート言語)を使って、Webサイトをブラウザ上に“見える形”で作るのが、コーディングの基本的な役割です。
もう少し具体的にいうと、「この文字は太く」「このボタンは右端に配置」「スマホでは縦並びに」など、デザイナーが作ったWebデザインをそのまま動かす役目を担います。
つまり、見た目を作る人=コーダーというのが、コーディング職のざっくりしたイメージになります。

デザインどおりに動かすって、なかなか奥が深いんですよね。
HTML・CSS・JavaScriptが主役
コーディングでよく使われる言語は、HTML(構造)・CSS(見た目)・JavaScript(動き)の3つです。
HTMLでは「見出し」「段落」「画像」といった構造を作り、CSSではそれらの要素に色・大きさ・配置などのスタイルをつけます。
そして、JavaScriptを使えば、「ボタンを押したら画像が切り替わる」とか、「入力欄に文字を打つと自動でサジェストが出る」といったインタラクションが可能になります。
この3つを組み合わせて、ユーザーにとって使いやすく、デザインどおりのWebページを作っていくのがコーディングという仕事です。

正直、最初はJavaScriptだけ異世界すぎて泣きました(笑)
副業にも人気の“入りやすさ”
Y子さん(25歳・会社員)は、Web制作の副業に興味を持ったのがきっかけで「コーディングってなに?」と調べ始めたそうです。
実際、コーディングは未経験者でも始めやすい分野として知られています。
なぜなら、環境構築の手間がほとんどなく、ブラウザとテキストエディタがあればすぐに始められるからです。
たとえば、無料学習サイト「Progate」などでは、登録して5分後にはHTMLを書き始めることができます。
「コードを書く=ハードルが高い」と思われがちですが、Webコーディングに関しては意外と身近で、感覚的に覚えられる要素も多いんです。
筆者としての視点
筆者は10年以上コーダーとして働いていますが、最初にHTMLで「Hello, World!」を表示させたときの感動は今でも覚えています。
コードを書いた分だけ、すぐに結果が目に見える。
それがコーディングの一番の魅力です。
もちろん、慣れてくると地味で地道な作業も多いのですが、「わかりやすくて成果が見える」という特性は、他のIT職とはちょっと違った面白さを持っています。
第2章:プログラミングはシステム全体を動かす力
設計・構築・動作すべてがプログラミング
「プログラミング」と聞いて、カタカタとキーボードを叩く姿を思い浮かべる方は多いかもしれません。
でも実はそれ、ほんの一部にすぎません。
プログラミングの本質は、「どう動かすか」を考えて、その通りに設計して、構築して、動作させること。
つまり、「問題をどう解決するか?」を、コードという手段で“形”にするプロセス全体がプログラミングです。
たとえば、「このボタンを押したらデータを保存して、次の画面へ移動して…」という流れを、ゼロから組み立てていくのがプログラマーの仕事。
実際の現場では、ただコードを書くだけでなく、要件を読み解いたり、処理手順を紙に書き出したりしてから実装に入ることも多いです。

コードを書くより、まず考える時間の方が長いんですよね。
Java・Python・C言語など、ロジックを動かす言語
プログラミングに使われる言語は、目的によって様々ですが、代表的なのがJava、Python、C言語、PHP、Rubyなど。
これらは、「どう動かすか」=ロジックを作るための言語です。
たとえば、PythonはAIやデータ分析に強く、初心者にも人気。
Javaは企業の業務システムやAndroidアプリで多く使われています。
C言語はもっとも基礎的で、ハードウェアに近い低レベルな制御も可能です。
プログラミングでは、ユーザーの操作に対してどう処理するか、何を返すかなどをすべて自分で決めてコードにしていきます。
仕組みを“自分で作る”のが醍醐味ともいえる分野ですね。

Pythonって、コードが英語っぽくて読みやすいんですよ。
アプリやシステム開発がメインフィールド
プログラミングの現場は、Webアプリや業務システム、スマホアプリなどが中心。
「ボタンを押すと画面が切り替わる」「会員登録情報を保存して再利用する」
――そんな動きの裏には、必ずプログラミングがあります。
デザインがないと見た目は生まれませんが、プログラミングがないと“動作しない”というのもまた事実。
そして、エラーが起きれば、その原因を追って直す「デバッグ」も重要な仕事です。
エンジニアの多くが、毎日こうしたロジックと格闘しています。
また、規模が大きくなれば、チームでの設計や分業も発生します。
その中で、共通のコード規約を守ったり、効率的に再利用できる構造を考えるのも、プログラミングの一環です。
「将来が不安…」営業職からエンジニアを目指した20代の挑戦
「今の仕事、この先どうなんだろう…」
そんな漠然とした不安を抱えて、エンジニア転職を意識し始めたRさん(20代後半・営業職)。
最初は「プログラミングって自分にできるのかな」と感じていたそうですが、いざ触れてみると「考える工程が多くて、意外と面白いかも」と興味が湧いたそうです。
そこから少しずつ学習を始め、今では仕事終わりに自作のWebアプリをコツコツ改善する日々。
転職活動の際には、そのアプリが“ポートフォリオ”としてしっかり武器になってくれるはずです。
プログラミングは、未経験からでも成果物として形に残しやすく、転職・副業・独立といったキャリアの選択肢を広げてくれるスキルでもあります。
エンジニアの仕事=ほとんどがプログラミング
結論として、ITエンジニアの業務の多くはプログラミングが中心です。
「システムエンジニア」や「アプリ開発者」などと肩書きは違っていても、設計~実装~テスト~運用に至るまで、ロジックを動かすコードを書く作業はどこでも発生します。
だからこそ、プログラミングを理解しておくことは、IT業界全体で通用する土台作りになります。
第3章:コーディングとプログラミングの違い一覧
目的も中身も違うけど、どちらも「コードを書く仕事」
「コーディングとプログラミングって、何が違うの?」
この質問、実は筆者も昔からよく聞かれます。
パッと見、どちらも「キーボードでコードを書く」という点では同じです。
でも、その目的や扱う領域、求められるスキルはかなり違います。
簡単に言えば、
- ・コーディング:Webページの見た目を作る人
- ・プログラミング:システムの動きを作る人
どちらもWeb制作や開発の現場では欠かせない役割。
それぞれに専門性があり、どちらが上・下という話ではありません。

名前が似てるだけに、違いがややこしいんですよね~。
コーディングとプログラミングの違いを表で比較!
以下に、わかりやすく一覧表でまとめてみました。
それぞれの特徴を比べると、理解しやすくなると思います。
項目 | コーディング | プログラミング |
---|---|---|
主な目的 | デザインをブラウザ上で再現する | システムやアプリを動かす仕組みを作る |
使用言語 | HTML / CSS / JavaScript(主に見た目) | Java / Python / C言語 / PHP / Ruby など |
作業範囲 | Webページの構造・デザインの再現 | 要件定義から設計・構築・テスト・保守まで |
職種名 | コーダー | プログラマー / エンジニア |
必要スキル | マークアップ、CSS設計、レスポンシブ対応など | アルゴリズム、ロジック思考、フレームワーク活用 |
学びやすさ | 初心者向け・とっつきやすい | 論理的思考が必要・やや難易度高め |
表を見てもわかる通り、両者は役割も技術も明確に異なります。
でも、共通して「コードを書くスキル」は重要。
だからこそ混同されやすいんですね。
小規模な現場では、どっちもやることもある
ここだけの話ですが、筆者が以前働いていた小さな制作会社では、コーディングもプログラミングも全部やってました(笑)
「JavaScriptも触れるなら、ちょっとこのフォームの処理もお願い〜」って流れで、簡単なバリデーションやDB連携まで任されることが当たり前。
特にフリーランスやベンチャー企業では、コーディングとプログラミングの境界があいまいになることもよくあります。
ただ、分業が進んでいる大企業やSIer(システム開発会社)では、役割がきっちり分かれているのが一般的です。

結局、どこまでやるかは現場次第って感じなんですね。
コーダー=補助じゃない!今は専門職として確立
かつては「プログラマがメイン、コーダーはその補佐」みたいな空気がありました。
でも今はまったく違います。
たとえば、コーディングだけでも「CSSアーキテクチャ」「アクセシビリティ対応」「CMSの組み込み」「高速化チューニング」など、専門的で奥深い技術領域が広がっています。
現場で活躍しているコーダーは、デザイナーの意図を正確に汲み取り、コードで再現する能力に長けています。
特に近年ではWebアクセシビリティやSEO対策におけるマークアップの質も問われるようになり、「コーダーは補助」どころか、「成果を左右するキーパーソン」として注目されている職種です。
まとめ:目的と役割の違いを知ることが第一歩
コーディングとプログラミングは、見た目は似ていても、中身はまったく違います。
どちらもWeb業界では必要不可欠なスキル。
ただ、自分がどちらの方向に向いているか、何を作りたいのかによって、学ぶべき内容が大きく変わってきます。
この章で紹介した違いを踏まえて、次は「初心者はどちらから始めると良いか?」について、じっくり考えてみましょう。
第4章:初心者はどっちから始めればいい?
入りやすさなら、断然コーディングから
「ITに興味あるけど、まず何から始めたらいいの?」
そんな疑問を持つ人、多いですよね。
筆者の経験から言わせてもらうと、最初の一歩には“コーディング”が断然おすすめです。
その理由はシンプル。
環境構築がいらない、結果がすぐ見える、覚える用語も少ない。
この「すぐできる感」が、初心者にとってめちゃくちゃ重要なんです。
たとえば、HTMLで <h1>こんにちは</h1> と打てば、ブラウザにはすぐ「こんにちは」と表示されます。
自分が書いたコードが目に見える形で反映されるって、最初の達成感としては最強クラス。

結果がすぐ出ると、本当にモチベを保てます!
一方で、プログラミングはちょっとハードルが高め。
変数?ループ?if文?と、最初は理解するまでに時間がかかる人もいます。
「どっちが難しい?」というよりも、“どっちが先に達成感を得やすいか”という視点で考えると、まずはコーディングから入るのが自然です。
学び方:おすすめはオンライン学習サイト
今は本当にいい時代で、初心者でも楽しく学べるサービスがたくさんあります。
なかでも筆者が初心者さんに推してるのがこの3つ。
▶ Progate(プロゲート)
スライド形式+手を動かして学ぶスタイル。
環境構築なしで、ブラウザ上で完結。初心者にも優しいインターフェースが魅力。
▶ ドットインストール
3分動画でサクサク進められる学習サイト。
「Webサイトを作ってみよう」など、実践に近いレッスンが豊富。
少し難しい内容もあるけど、その分ステップアップ感もある。
▶ CODEPREP
クイズ形式で「穴埋めしながら学ぶ」ユニークなサイト。
手を動かす→理解する、がテンポよく繰り返せる。
どのサービスも無料から始められるので、まずは試して「合うもの」を見つけるのがコツです。
「ものづくりが好き」なタイプなら、コーディングがおすすめ
たとえば、Aさん(25歳・デザインやものづくりが好きなタイプ)。
副業としてWeb制作に興味があり、「自分でサイトを作れるようになりたい」と思っているそうです。
そんなAさんのようなタイプには、“デザインから入れる”コーディングがぴったり。
自分の作ったページがちゃんと形になって見えるのって、やっぱり楽しいですし、学習も継続しやすいですよね。
将来的に「WordPressサイトを組めるようになりたい」「Webバナーを自作したい」といった目標がある場合は、まずはHTMLとCSSから始めるのがベストです。
「論理的に考えるのが得意」なタイプなら、プログラミングからでもOK
一方、Bさん(29歳・論理的思考が得意なタイプ)のように、「ゆくゆくはアプリや業務システムを作るような仕事をしてみたい」と考えている方なら、最初からプログラミングに挑戦してみるのもアリです。
最初の数日は苦戦するかもしれませんが、Pythonなど、初心者向けの言語ならシンプルな構文で書けるので意外と入りやすいですよ。
最近ではAI開発や自動化にも応用できるので、将来性も高いです。

Pythonの「print(‘こんにちは’)」は、なんか可愛くて好きです。
書籍・練習法も併用すると効果倍増!
オンライン学習だけでなく、紙の本も合わせて使うと理解が深まります。
以下のような書籍もおすすめです。
- 『1冊ですべて身につくHTML&CSSとWebデザイン入門講座』(SBクリエイティブ)
- 『スラスラ読めるPythonふりがなプログラミング』(インプレス)
また、学んだら終わりではなく、「好きなサイトを真似して作る」「プロフィールページを作ってみる」といった実践が大切です。
自分のアウトプットをどんどん増やしていくことで、知識がどんどん身に付きます。
まとめ:目的に応じて“選んで”いい
どちらから始めるかは、自分の性格・目的・やりたいこと次第。
無理にプログラミングから始めなくても、まずはコーディングで「作れる楽しさ」を体感するのも、十分価値あるスタートです。
迷ったら、まずはProgateのHTMLレッスンをポチッと始めてみましょう。
「これ、意外と楽しいかも!」って感じられたら、もう最初の一歩はクリアです。
第5章:まとめと感想|まずは違いを知ることが第一歩
コーディングもプログラミングも、大切なスキル
ここまで読んでくださったあなた。まずお疲れさまでした。
コーディングとプログラミングの違い、かなりクリアになってきたんじゃないでしょうか。
この2つ、よく混同されがちですが、どちらも「モノを作るための大切な技術」なんです。
デザインを形にするのがコーディング。
仕組みを作って動かすのがプログラミング。
Webサイトやアプリは、この2つの力が合わさって初めて“動いて見える”ようになります。
つまり、どっちが上とか下とか、そういう話じゃないんですよね。

役割が違うだけで、どっちも主役なんですよね。
ゴールが違えば、選ぶ道も違う
「何を作りたいのか」
「どんな働き方をしたいのか」
「どんなことに興味があるのか」
それによって、コーディングから始めた方がいい人もいれば、プログラミングに挑戦すべき人もいます。
たとえば、副業でWeb制作に関わりたいなら、HTML・CSSを使ったコーディングの学習がぴったり。
自作アプリやAI開発をしてみたいなら、PythonやJavaなどのプログラミング言語に挑戦するのが近道です。
ゴールによって、選ぶ道は自由でOK。
正解はひとつじゃありません。
「全部覚える必要はない」って知っておこう
初心者がよく不安になるのが、「全部覚えないといけないの?」という疑問。
でも、大丈夫。
現場のプロでも、必要な時にググって調べてます。
むしろ、「どうやって調べて、どう応用するか」が大事。
最初から完璧を目指さなくていいんです。
まずは、“できること”を少しずつ増やしていくことが、成長への近道です。
自分に合った学び方を見つけよう
「まずは副業でWebデザインを…」と考えている人なら、手を動かして成果が見えるコーディング学習が気持ちのハードルも低くておすすめです。
「IT転職を目指して本格的にスキルを身に付けたい」人には、プログラミングを基礎からじっくり学ぶ道が向いています。
どちらも、自分に合ったやり方で、焦らず一歩ずつ進めばOKです。
最後に:迷っているなら、まずは“1行”書いてみて
「コーディングとプログラミング、どっちがいい?」なんて、最初から悩まなくても大丈夫。
まずは、一行だけでもコードを書いてみること。
<h1>こんにちは</h1> とか、
print(“はじめまして”) とか、
それだけで何かが動いたら、きっとワクワクするはず。
そして、その小さな成功体験が、次の一歩を後押ししてくれます。
それが“学び始める”ってことの第一歩。
だから、どうか迷いすぎず、やってみる勇気を持ってみてくださいね。
きっと、あなたにしか作れない何かが生まれていきますよ。