第1章:コーディングルールってそもそも何?
はじめに:ルール=面倒?いやいや、それだけじゃない!
「ルール」と聞くと、まず思い浮かぶのは「縛られるもの」「自由がなくなるもの」だったりしますよね。
筆者も新人の頃は、正直ちょっとめんどくさいなって思っていました。
けど、この“コーディングルール”にちゃんと向き合うことで、後々ラクになるし、評価もされやすくなるんです。
ここでは、そんな「そもそもコーディングルールって何なの?」という疑問に、やさしく、でも深掘りして答えていきます。
コーディングルールとは「開発の交通ルール」
コーディングルールとは、簡単にいうとプログラマー同士が読みやすく・保守しやすいコードを書くためのルールです。
これは、チームで開発する上での“交通ルール”のようなもの。
誰もが自由気ままに書いてしまうと、コードレビューは地獄、バグの温床、最悪リリースできない…なんてことにも。
参考
aslead:コーディングルール(コーディング規約)とは?目的や作り方、サンプルを紹介
https://aslead.nri.co.jp/ownedmedia/development/post-5441/

私、最初は「え、そこまで揃える必要ある?」って思っていました。
命名ルールも「おまじない」じゃない
コーディングルールの中でも特に重要なのが命名規則(ネーミングルール)。
たとえば、変数名や関数名を英語で統一するとか、userNameと書くなら全体でキャメルケース(小文字始まり+大文字区切り)に統一しよう、というアレです。
これはただの“お作法”ではなく、意味のある一貫性。
同じプロジェクトでUserListとuser_listが混在していたら、読み手は地味に混乱します。

こういう地味なストレスって、あとから効いてくるんですよね。
スペース vs タブ戦争…それもルールで解決
開発現場で“宗教戦争”とまで言われるのがインデントのルール。
スペース派?タブ派?といった意見の違いが生まれがちですが、これもコーディングルールで「スペース4つで統一」と決めてしまえば解決。
たとえば、Pythonではインデントが構文に影響を与えるので、こうしたルールの存在はバグ防止にもつながるんです。
ちなみに、筆者が担当したあるECサイトの開発では、インデントのばらつきが原因でマージ後に画面が真っ白…なんて事故もありました(汗)
自分のコードは“誰かに読まれる”もの
これは筆者自身の経験ですが、新人時代に書いたコードって、自分だけが理解していて、あとで誰にも引き継げない“呪文”みたいな状態になりがち。
でもチーム開発では、自分のコード=誰かに読まれる前提で書かなきゃいけません。
読みやすさ、保守のしやすさ、レビューのしやすさ。
これらすべてに直結するからこそ、コーディングルールが大事なんです。
まとめ:ルールは「縛るもの」じゃなく「守ってくれるもの」
「自由に書きたい!」という気持ちは大事。
だけど、ルールがあるからこそ、スムーズに、トラブルなく、気持ちよく開発できるのも事実です。
最初はちょっと面倒に見えても、コーディングルールは“未来の自分と仲間のためのギフト”なんですよ。
第2章:なぜルールが必要なの?3つの理由
コーディングルールは「時間と心を守る盾」
「ルールって…やっぱり守らなきゃダメなの?」
そんなふうに思ったこと、筆者にもありました。
けど、実際に現場で苦労した経験があると、「守る」ことの意味がリアルに見えてくるんですよね。
この章では、コーディングルールを守ることで得られる3つの具体的なメリットをしっかりお伝えします。
全部、現場で「これがあるから助かった」「これがなかったから死んだ」話ばかりです。
理由①:他の人が読めるコードになる
コードは読む人のために書くと言われます。
「読みやすさ=チーム開発の生産性」
読みやすいコードは次の作業者への最高のギフト。
コーディングルールがあることで、変数の命名、コメントの付け方、ファイル構成まで統一感のある設計ができるようになります。

他人のコード読むのは苦手なので、揃ってると本当に安心します。
実際に筆者が参画したあるプロジェクトでは、たったひとりの“独自流”プログラマーがいたせいで、誰もコードを読み解けず、仕様確認から全やり直しという悲劇がありました。
理由②:保守や修正がしやすくなる
「この関数って何してたっけ?」「この命名、どのルールで書いてるんだっけ?」
こういう迷い、開発現場では日常茶飯事です。
でも、コーディングルールがあれば命名規則・コードスタイルが整っているため、保守やバグ修正が圧倒的にラクになります。
たとえば命名一つとっても、userListとuser_listが混在してると、検索性も悪くて変更漏れのリスクが跳ね上がる。
ルールがあることで「お約束」ができて、脳の負荷も減るんです。

「あれ、前はこの変数camelで書いてたのに…」とかよくありますよね。
理由③:チーム全体の効率が上がる
これは筆者が何度も痛感しているのですが、コーディングルールが整っている現場ほど、レビューが速いんです。
レビューアーがいちいち「ここ、直して」「これは何?」と書かなくて済むし、PRコメントが半分になることもある。
また、新メンバーが参加しても「プロジェクトの書き方がわからない」となるリスクが少なくなります。
ルールがあれば、“チームの言語”が統一されるんですよね。
地獄のプロジェクト体験談
筆者が以前関わった、とあるベンチャー案件。
ルールがなかったせいで、同じ“ユーザーID”を指す変数がなんと5種類も存在していたんです。
user_id、userid、uId、UserId、uidNumber……。
地獄でした。
レビューも通らず、仕様もわからず、コードを読むだけで1日潰れるなんてざら。
しかも、それぞれが微妙に意味や型が違うというオチまであって、最終的に全体のリファクタリング作業が必要になりました。
あのとき、「最初からコーディングルールが共有されていれば」と何度思ったことか…
まとめ:ルールは効率と信頼の鍵
読みやすさ、保守性、チーム連携。
この3つを支えるのがコーディングルールです。
守ることは面倒に見えて、実は効率アップと信頼構築の一番の近道なんです。
第3章:実際の現場ではどう守られてる?
「みんな本当に守ってるの?」という素朴な疑問に答える
新人エンジニアのキミ、正直に言うとこう思っていない?
「コーディングルールって、口では言うけど、実際の現場でそんなに厳しくやってるの?」
筆者も同じことを思っていたから、すごくよく分かりますよ。
でも、今の現場は“人力だけ”じゃコーディングルールは守れていません。
そこで登場するのが、ツールの力。
“道具を使って、強制的にルールを守る仕組み”を作ってるのが、今どきの開発現場のリアルなんです。
ESLintやPrettierが「ルールの門番」になる
まず紹介したいのがLinter(リンター)ツール。
代表的なのが ESLint(JavaScript/TypeScript向け) や Prettier(コード整形ツール)。
たとえば、次のようなことができます。
- ・ESLint:コード中のルール違反(例:==ではなく===を使うなど)を検出して警告
- ・Prettier:インデントやスペースなどのスタイルを自動で整形してくれる
これ、保存した瞬間に自動で動くように設定できるんですよ。
つまり、エディタにコード書いて保存ボタン押したら、勝手に直っているってことです!

こういう自動でやってくれるのほんと好きなんですよね〜!
筆者の現場でも、.eslintrc.jsonと.prettierrcという設定ファイルがプロジェクトのルートに置かれてて、みんなそれをベースに統一されたコードを書いてます。
VS Codeもルール守り隊の一員
ツールといえば、エディタも忘れちゃいけません。
特にVisual Studio Code(VS Code)は、拡張機能を入れればESLintやPrettierと自動連携できます。
よくある設定としては:
- ・保存時にPrettierでフォーマット
- ・コード中にエラーが赤線で表示される
- ・Linterルール違反を一目で検出
しかも、エラーが出たときにはワンクリックで修正候補が出てくる親切設計。
ルールを「覚える」より「ツールに従う」だけで、だいたい正しい書き方になるって便利すぎますよね。

頭で考えずに手が勝手にルール守るの、最高です!
Gitのプルリクでルールチェックが日常
コードの最終的なチェックポイントは、やっぱりGitのプルリクエスト(PR)レビュー。
ここでもコーディングルールは重要視されます。
筆者の経験では、レビューコメントの3割くらいが「ルール違反」への指摘です。
- ・「命名がルールと違うよ」
- ・「ここ、Lintに引っかかってる」
- ・「Prettierで整形してからコミットして」
こんなコメントは日常茶飯事。
特に、CI(継続的インテグレーション)ツールと連携させておけば、ルールに違反したコードは自動的にマージブロックされるようにもできます。
つまり、「ルール守らないと通らない」仕組みを技術で作っているんですね。
現場のリアル:ルールを破るとどうなる?
筆者が以前参画した某アパレル企業の開発現場では、「ルールが緩いチーム」と「ルールを自動化しているチーム」がありました。
前者では、レビューに時間がかかるし、誰かの好みによってルールがブレる。
後者では、PRのコメントは主に「仕様に関する相談」だけで、スタイルや命名に関しては一切の指摘なし。
結果として、後者の方がレビューが早く、ミスも少なかった。
これ、ルールを自動化してるかどうかで、チームの生産性に明らかな差が出てるという証拠です。
まとめ:道具に任せてルールを“当たり前”にする
コーディングルールは「努力で守る」ものじゃないんです。
ツールで仕組みにしてしまえば、自然と守れるようになる。
今どきの現場は、ESLint・Prettier・VS Code・Git PR・CIツール…いろんな道具を使って、“ルール違反が入り込まない状態”を作っています。
第4章:破ったらどうなる?リアルな失敗談
うまく動いてても、それって“いいコード”?
「動くコード=正しいコード」って、最初のうちはそう思いがちですよね。
筆者も新人時代は「ちゃんと動いたし、エラーも出ないし、これで完璧!」なんて自信満々でした。
けど、ある日のコードレビューで、それは粉々に砕かれることになります。
独自路線の命名が招いた“公開処刑”
あれは、筆者がまだWeb系ベンチャーで修業していた頃のこと。
新機能の開発を任され、勢いに乗ってコードを書き上げた筆者は、ウキウキでGitのプルリクを提出しました。
ファイル名:UserOneDataGetter
関数名:getUODG(←これは“UserOneDataGetter”の略のつもり)
レビュー当日、チームリーダーが言いました。
「これ書いたの誰?」
もうその瞬間、空気が凍るのがわかりました。

うん…“誰にも読ませる気がない”って、言われました。
読めない=メンテできない
筆者が使っていた命名は、完全に自分の頭の中だけで成立している独自略語だらけ。
しかも、英語も文法も怪しくて、ファイル構成もめちゃくちゃ。
結果として:
- ・他のメンバーは、コードの意味を読み解くのに1時間以上かかる
- ・レビューは10件以上の差し戻し
- ・リーダーからのコメント:「仕様書より難解だね」
機能としては動いていたけれど、“誰も読めないコード”=誰も直せないコードだったんです。
あとで仕様変更が入ったときも、「この関数、何してるんだっけ?」と誰も触れなくて、結局書き直しに…。
チーム全体が「ミスしやすい空気」になる
その後のチームにも悪影響が出ました。
「誰もが好き勝手に書いてもいい」という空気ができて、レビューが長引く。
担当が変わるたびに説明会が必要になる。
保守性が落ちて、バグの修正にも時間がかかる。
チームリーダーは、こう言いました。
「ルールは、自分のためというより“未来の誰か”のためにある」
この言葉、今でも筆者の中にしっかり残っています。
失敗から得た教訓:「書いたその先」を想像する
この経験から筆者が得た最大の学びは、「コードは書くことより、読ませることのほうが重要」だということ。
見やすさ、わかりやすさ、整ってること。
これらは人間に優しいコードを書くという意味でものすごく大切です。
コードを書くときに、
- ・この命名、他の人にも伝わる?
- ・このファイルの場所、後から探しやすい?
- ・スタイル、他とずれてない?
こうした視点を持つだけで、コードの“質”がガラッと変わるんです。
まとめ:ルールを守ることは、仲間への配慮
ルールを守らなかった筆者は、時間も信頼も失いました。
でも、その経験があったからこそ、今では「最初にルールを守って書く」ことが、最大の効率化だと確信しています。
新人エンジニアのあなたにもぜひ伝えたい。
ルールは自分を縛るものじゃなく、“みんなを守るクッション”みたいな存在。
それに、誰かに「このコード、わかりやすいですね」って言われると、ちょっと嬉しいですよ。
次はいよいよ最終章。
ここまでのまとめと、筆者なりの感想をお届けします。
第5章:まとめと感想|ルールは味方になる!
ルールは“縛るもの”じゃなく、“味方”だった
ここまで、「コーディングルールって何?」から始まり、なぜ必要なのか、どう現場で守ってるのか、そして破ったらどうなるのか、リアルな話をお届けしてきました。
改めて言います。
コーディングルールは、あなたのコードを守り、チームを守る味方です。
動くコードより、読まれるコード。
速いコーディングより、つながるコーディング。
これが、筆者が現場で得た大きな気づきでした。
信頼されるエンジニアって、どんな人?
筆者が見てきた“信頼されるエンジニア”は、コードが上手いとか、知識が多いとか、そんなことだけじゃありません。
むしろ、
- ・ルールを守る
- ・他人の読みやすさを考える
- ・コードに“優しさ”がある
こういう人が「この人と仕事したいな」と思われる存在になっています。
もし今あなたが、
「ルールって面倒…自由に書きたい…」
と思っていたとしても、大丈夫。

最初はみんなそう思ってるから、気にしなくて大丈夫です!
一歩踏み出すための“次の行動”
もし、「ルールってなんとなくわかってきたけど、何から始めたらいいの?」と感じているなら、まずは他社のコーディングルールを読むことから始めましょう。
以下のような有名なルールが、GitHubなどで公開されています:
- Google JavaScript Style Guide(日本語訳)
- Airbnb JavaScript Style Guide
- サイボウズのコーディング規約
- NotePM「コーディング規約のテンプレート集」
それらを見て、「これ、うちのチームでも使えそうかも」と思ったら、チームに提案してみるのも立派な第一歩です。
まとめ:ルールを味方にすれば、開発はもっとラクになる
コーディングルールは、けっして堅苦しい決まりごとじゃありません。
むしろ、開発をスムーズにし、人とのつながりを助けてくれる“潤滑油”のような存在です。
筆者も昔は、「なんでこんな細かいこと言うんだろ」って思っていましたが、今は「ルールがあるから早く帰れる!」って感謝してるくらいです。

ルールがなかったら、私、今ごろデスマしてたと思います(笑)
あなたのコードが誰かの手に渡るとき、「この人、わかりやすくて助かるな」って思ってもらえたら、それはもう最高の成果です。
さあ、今日からルールを味方にして、信頼されるエンジニアへの一歩を踏み出しましょう!