WordPress、記事のコピー機能が無い…!?
「ちょっと変えるだけ」なのに複製できない理由
商品の紹介ページや毎月のキャンペーン告知など、過去の記事と似た構成で新しい記事を作りたい時ってありますよね。
「前回の記事をベースにして、少しだけ内容を変えたい」
──それだけのことなのに、いざ作業を始めると意外と時間がかかってしまう…
WordPressの管理画面を開いて、「コピー」や「複製」っぽいボタンを探しても、見当たらない。
投稿一覧や編集画面を行ったり来たりしても、操作の手がかりが見つからず、気づけば時間だけが過ぎている。
結局、前の記事を開いて手動でコピペ。画像を入れ直して、レイアウトを整えて、パーマリンクも修正して…
「ちょっと変えるだけ」のはずが、気がつけば1本分の労力になってしまいます。
テーマやプラグインで差が出る落とし穴
この“記事の複製まわり”がややこしいのは、使っているテーマやプラグインの構成によって操作性がバラバラなところにあります。
例えば「Cocoon」や「Lightning」のようなテーマでは、開発元が提供している拡張機能やプラグインによって、投稿の複製が最初からできるようになっているケースがあります。
この場合は、投稿一覧に「複製」や「クローン」ボタンが表示されていたり、編集画面内で簡単にコピー操作ができたりします。
でも、そういった機能が無いテーマを使っていると、同じWordPressでも「あれ?前のサイトではできたのに…」ということに。
操作に慣れている人ほど戸惑いやすいポイントです。
WordPressで記事を複製する3つの方法
WordPressで記事を複製したいとき、いくつか方法がありますが、実は「正解」は人によって違います。
プラグインで手軽に済ませたい人もいれば、なるべく余計な機能を増やしたくない人もいますよね。
この章では、3つの方法を順番に紹介していきます。
どれも今日から試せるものばかりなので、自分の使い方に合ったやり方を見つけてみてください。
① Duplicate Postプラグインを使う(いちばん簡単)
「これさえ入れればOK」と言える定番のプラグインが、「Yoast Duplicate Post」です。
無料で使える上に、投稿一覧に「複製」ボタンが追加されるという分かりやすさが魅力。初心者でもすぐ使いこなせます。
■インストール手順
- 管理画面で「プラグイン」→「新規追加」をクリック
- 検索窓に「Duplicate Post」と入力
- 「Yoast Duplicate Post」が表示されたら「今すぐインストール」→「有効化」
たったこれだけで、投稿や固定ページに“複製機能”が追加されます。

日本語で「複製」って表示されるの、地味にありがたいです。
■複製のやり方
投稿一覧ページを見ると、各記事の下に「複製」や「新規下書き」といったリンクが表示されるようになります。
「複製」:そのままの状態でコピーし、一覧に追加される
「新規下書き」:コピーと同時に編集画面が開く
どちらもタイトル・本文・画像・カテゴリなどを引き継いだ状態で複製されるので、あとは内容を少し変更するだけで完成です。
設定画面でもカスタマイズ可能
「設定」→「Duplicate Post」から、複製の対象項目や表示位置のカスタマイズもできます。
・複製対象:本文・カスタムフィールド・アイキャッチ画像など
・表示箇所:投稿一覧だけ/編集画面でも etc.
例えば、「タイトルだけ残して中身を空にする」といった使い方も可能で、細かいニーズにも対応できます。
②テーマに複製機能があればそのまま使う
使用しているテーマによっては、投稿の複製機能が最初から使えるようになっていることがあります。
第1章でもお伝えしましたが、「Cocoon」や「Lightning」などのテーマでは、環境によっては投稿一覧に最初から“複製”ボタンが表示されていることもあります。
多くの場合は、以下のいずれかで確認できます。
・投稿一覧に「複製」「クローン」などのリンクが追加されている
・投稿編集画面に「下書きとして複製」のボタンがある
・メニューに「コピーして新規作成」のような表示が出る
ただし、この機能はテーマに依存しており、他のテーマに変えると使えなくなる可能性があります。
テーマに付属の拡張機能が無効化されていたり、テーマ更新で仕様が変わることもあるため、安定した使い方を求めるなら、プラグインの方が確実です。
③手動コピーでも「下書き複製」はできる
「プラグインはなるべく入れたくない」
「テーマも特に機能は付いていない」
そんな場合でも、手動で下書きを複製する方法があります。
方法1:コピペで再現
- 複製したい記事を開く
- 本文や画像などをまるごとコピー
- 新しい投稿画面に貼り付けて編集開始
ブロックエディター(Gutenberg)を使っていれば、段落・画像・カラムなどもそのまま貼り付けられるので、思ったよりズレません。
方法2:コードエディターで複製する
少し慣れてきた方向けですが、「コードエディター表示」でコピーするとHTML+ブロック構造ごと貼り付けられるので、より忠実な複製が可能です。
ただし、アイキャッチ画像・スラッグ・タグなどは手動で再設定する必要があります。
この方法は、数記事だけコピーしたいときや、あまり頻繁に更新しないサイトには十分対応できます。
複製のやり方は一つじゃない
一見面倒に感じる記事の複製ですが、環境と目的に合った方法を選べば、作業効率は確実に上がります。
・更新頻度が高い → Duplicate Postで一括管理
・テーマが対応していれば → そのまま活用
・最小限の環境で運用 → 手動コピーでもOK
プラグインを入れたくない場合の対処法
「便利なのはわかるけど、プラグインはなるべく増やしたくない」
そう考える方に向けて、WordPress標準機能やカスタマイズでできる、複製の代替手段をご紹介します。
パターン機能で“ひな形”を作っておく
WordPressでは、よく使うブロック構成を「パターン」として保存して再利用できる機能があります。
このパターン機能を使えば、記事のひな形をサッと呼び出して作業を始められるため、実質的な「複製」の代替手段になります。
パターンは2種類あります。
・同期パターン(Synced Pattern/旧:再利用ブロック)
複数の記事で同じ内容を使い回すタイプ。編集するとすべての使用箇所に反映されます。
・通常パターン(Unsynced Pattern)
呼び出すたびに個別のブロックとして展開され、自由に編集・調整できます。
■保存と使用の手順
- 複製したいブロック構成を選択
- 右クリック or ツールバーから「パターンに追加」
- 使用時は「パターン」タブから呼び出して貼り付けるだけ
テンプレ的に使う場合は「通常パターン(Unsynced)」にするのが基本です。
同期パターン(Synced)は、全記事に同じ内容を維持したいときに向いています(例:お知らせ欄や広告バナー)。
functions.phpに複製機能を追加する(中級者向け)
カスタマイズに慣れている方であれば、テーマのfunctions.phpにコードを追加して、投稿の複製機能を実装することもできます。
function duplicate_post_as_draft(){
// 複製処理(省略)
}
add_action(‘admin_action_rd_duplicate_post_as_draft’, ‘duplicate_post_as_draft’);
上記のようなコードを使えば、投稿一覧に「複製」のリンクを表示することができます。
注意点
・コードの記述を誤るとサイトが真っ白になる可能性がある
・テーマのアップデートで上書きされるリスクがある(→子テーマの利用推奨)
・投稿タイプやカスタムフィールドを考慮すると、多少のPHP理解が必要
functions.phpでの複製追加は、プラグインを増やさずにスマートに処理したい人向けですが、作業前には必ずバックアップを取るのが鉄則です。

最初はドキドキしますが、仕組みがわかると楽しいです!
まとめと感想|複製は手間を減らす味方
「WordPressって、記事のコピーすらできないの?」と最初に戸惑った方も、ここまで読んでいただければ、複製の選択肢が意外と多いことに気づかれたのではないでしょうか。
プラグインを使えば手軽に。
パターン機能を使えばテンプレート化もできるし、ちょっとコードに強ければfunctions.phpで機能を追加することもできる。
複製のやり方はさまざまですが、どれを選ぶにしても共通して言えるのは、「一度仕組みを作ってしまえば、毎日の更新がグッとラクになる」ということです。

私も複製方法を覚えてから、記事作成のハードルが一気に下がりました!
「前と同じ構成で作るだけなのに、ゼロから全部入力する」
そんな繰り返し作業から解放されるだけで、時間と集中力の余裕が全然違ってきます。
記事を1本書くのにかかる手間が減れば、そのぶん内容のブラッシュアップやSEO対策など、本来注力したい部分に時間を回せます。
それでも、「操作がややこしくて手が止まってしまう…」「仕組み化する時間がそもそもない…」という方もいるはずです。
そんなときは、“複製できる環境”ごとプロに任せてしまうというのも、ひとつの選択肢です。
記事テンプレの設計やカスタム投稿の初期設定、functions.phpの安全な調整まで、最初の一歩を整えてもらえば、あとは自社でスムーズに運用していけるようになります。
WordPressの複製は、ただの時短ではなく、「本当にやるべきことに集中するための準備」でもあります。
ぜひ今回の内容をヒントに、自分に合ったやり方を取り入れてみてくださいね。