「簡単でいいよ!」に泣かされる日々
思わずモヤッと…“簡単”って一体どこまで?
Web制作に携わっていると、避けて通れないのがクライアントとのやりとり。
特に、「簡単な修正でいいから」という一言…これが曲者です。
「色をちょっと変えるだけなんだけど」
「ここのテキストを少し短くしてほしい」
「スマホでも見やすくなればそれで大丈夫」
そんなセリフに「了解です!」と返したものの、蓋を開けてみたら…コーディングからレイアウト調整、他ページとの整合性チェックまで、まるっと1日仕事。あるあるですね。

“簡単”って言われたら、もうそれはフラグだと覚悟しています…!
クライアントにとっての“簡単”は制作者にとっての“地獄”
「簡単にできますよね?」と笑顔で言われた時点で、なぜか肩が重くなる。
それは、“簡単”の定義が人によってまるで違うからです。
クライアントにとっての“簡単”は、見た目の変化が小さいこと。
でも、実際の作業は、HTMLとCSSの再調整だけで済まず、JavaScriptやCMSの構造まで手を加える必要が出てくるケースもあります。
例えば、「フォームの項目を1つ増やすだけ」という依頼。
たった1行のように見えて、
・デザイン調整
・バリデーションの設定
・DB設計や送信先の確認
・確認画面/完了画面への反映
など、細かい部分を考慮しなければなりません。
見た目以上に裏側の工数がかかる。これがWEB制作現場での“あるある”なのです。
「簡単」発言はどこまで受け止めるべき?
「簡単でいいから」と言われた時、受け手側がやりがちなのが「まあ、すぐ終わるだろう」と楽観視してしまうことです。
でも、それで時間が想定以上にかかり、他のタスクが後ろ倒しになることも…
そこで一つポイントになるのが、「どの範囲までの作業を想定しているか」を最初にすり合わせることです。
例えば、「テキストの差し替えだけでレイアウト変更はなし」「デザイン修正が入る場合は追加工数になる」など、線引きをはっきりさせておくだけで、お互いの認識がぐっと近づきます。

“これって、どこまで?”と聞くクセがついてから、気持ちもだいぶ楽になりました。
すり合わせで“簡単”を具体化しておこう
「簡単」という言葉に振り回されないためには、“感覚”ではなく“作業内容”で話すことが大事です。
Googleドキュメントやチャットツールなどを使って、「この作業を含む・含まない」をリスト化しておくと、クライアントも「そんなに大変なんですね」と気づいてくれることがあります。
また、「●時間以内なら無料、それ以上は追加費用」という形で、明確なラインを示しておくのもひとつの手です。
Web制作の仕事は、ただ“ページをつくる”だけではありません。
設計・対応・管理など、見えない作業がたくさんあります。
だからこそ、最初の一言がどれだけ重たいか、制作側の視点からも伝えていくことが大切です。
通じてると思ってたのに…制作現場の“意思疎通ミス”
なぜかすれ違う、社内コミュニケーションの落とし穴
Web制作の現場では、クライアント対応だけでなく、社内の連携にも神経を使いますよね。
「これ、こういう意図で伝えたんだけどな…」
「え、それってそういう意味だったの?」
そんな“通じてるつもり”の指示が、実は全然通じてなかった、なんてことは日常茶飯事です。

確認してたはずなのに、なぜこうなった…って時、正直へこみます…
特にディレクター職だと、デザイナーとコーダーの橋渡し役も兼ねているため、言葉の選び方ひとつで制作全体が左右されます。
デザイン指示が招いたすれ違いの火種
ある日、デザイナーに「トップのバナー、もう少し“華やかさ”を足してもらえますか?」とお願いしたディレクター。
すると、仕上がってきたのはキラキラのラメ風エフェクトと派手めのグラデーション…
ちょっと予想を超えていました。
(うーむ、まあ何とかなるだろう!)
そのまま、それを元にコーダーに作業を依頼すると、「えっ、前回はシンプルでって言ってませんでした?」と混乱。
そこから「どっちの方針で進めるのか?」とプロジェクト内がざわざわし始め、全体の進行もストップしてしまいました。
原因は、「華やかさ」という言葉の定義が人によって違ったこと。そして、それをきちんと共有・明文化していなかったことでした。
“言った・言わない”は、起きるべくして起きる
こうした認識のズレは、決して誰かが悪いわけではありません。
感覚で伝えたつもりが、相手には違うように伝わっていた──。よくあることです。
特にWeb制作では、曖昧な言葉(例:スッキリ・かっこよく・高級感)での指示が多く、受け手によって解釈が変わります。
「先週言ってたのと違うじゃん!」と感じるのも、実は最初から齟齬があっただけというケースも少なくありません。

“感覚”を言葉にするのって、思ってる以上に難しいですよね…!
小さなズレは“言葉にする”だけで防げる
とはいえ、ちょっとした工夫で、こうしたすれ違いはぐっと減らすことができます。
鍵になるのは「ふんわりした言葉を、その場で文章にする」ことです。
例えば、「華やかに」という依頼なら、
「背景にグラデーションを追加し、女性向けの印象を意識して」
など、具体的に置き換えるだけで、グッと意思疎通がスムーズになります。
Slackやチャットツールでやりとりする際も、口頭で話した内容を「確認です」と文章で残しておくだけで、“言った・言わない”の火種をつぶせます。
さらに、Figmaのコメント機能を使って、デザイン上に直接指示を記載すれば、作業者の理解もより確実になります。
ほんのひと手間で、大きなすれ違いが防げるなら、やらない手はありません。
Web制作はチーム戦。気持ちよく進めるには、「言葉の交通整理」が何より大事です。
納期前なのに全部やり直し!? 制作進行中に起きがちな“絶望タイム”
順調だったはずが、なぜか地獄の始まりに…
Web制作において、納期直前は神経が張り詰めがちな時期。
それなのに、なぜかこのタイミングで「ちょっと相談いい?」というメッセージが飛んでくる。
…はい、あの嫌な予感、大体当たります。
「やっぱりターゲットの方向性を変えたいって話になって…」
「役員からOK出なかったから、一旦白紙に戻そうってことで…」
そんな言葉が出た瞬間、目の前が真っ白になる感覚。ありますよね。

(なんで今やねん!) って、心の中で何度も叫びました(笑)
終わったと思ったら、始まりだった
とあるサイト制作で、スケジュール通りにデザイン〜コーディングを終え、最終調整に入っていたタイミング。
急に「社内で方針が変わったので、トップページから再設計お願いします」との連絡が。
えっ…今週末が納期なんですが…?
話を聞けば、他部署との整合性がとれないという理由で、構成やコンテンツがゼロベースで見直しに…
つまり、“納品直前=スタート地点”という悪夢のような状況に突入してしまったわけです。
もちろんクライアントも大変なのは分かっています。
でも、このタイミングでの舵切りは、現場としては相当ハード。
チーム内にも焦りや疲労が広がり、一気に空気がピリつきました。
なぜ、土壇場でひっくり返るのか
こうした“終わったと思ったら始まりだった”現象、決してレアケースではありません。
理由の多くは、初期段階での合意形成が不十分なまま進行してしまったパターン。
「たぶん大丈夫だろう」と確認を曖昧にしたまま進めると、後半でボトルネックになって返ってくるのです。
特に、関係者が多い案件や、上層部のレビューが遅れるケースでは要注意です。
どこかでズレが生じたまま進んでしまうと、最後の最後で「これ、誰がOKしたの?」状態になりかねません。

最後に全部覆されると、本当に心が折れかけますよね…
小まめな中間チェックが、地獄を回避するカギ
とはいえ、完全に防ぐのは難しくても、ダメージを軽減することはできます!
ポイントは、制作の進行中に“小さく”でも確認の機会を設けること。
デザイン初稿を出す前に構成案を共有したり、週1回だけでも進捗報告を入れるだけで、方向性のズレを早めに察知できます。
また、初期段階で「こういう変更があった場合は、追加対応として再スケジュールします」と、線引きをしておくのも効果的です。
Web制作は、ゴールが動く仕事。
だからこそ、進行中の“見直し余地”を残しつつ、関係者との確認をこまめに挟んでおくことで、最悪の事態は回避しやすくなります。
「あるある」は、今日もがんばるあなたへのエール
Web制作の現場では、日々いろんな“あるある”が巻き起こります。
「簡単って言われたけど全然簡単じゃなかった」
「指示したはずが、まったく伝わってなかった」
「納期直前に仕様がひっくり返った」
どれも笑えないけど、振り返るとちょっと笑える。
そんな日々を乗り越えている時点で、もう十分がんばっている証です。
“あるある”は、ただの愚痴じゃありません。
その裏には、頑張って仕事に向き合っている人の姿があるし、同じように苦労している誰かとつながれるヒントでもあります。
少し立ち止まって、クスッと笑えたら、それだけで気持ちが軽くなることもありますよね。

“共感できること”って、それだけで心のガソリンになります。
そして、こうしたあるあるの中には、次に活かせるヒントもたくさん詰まっています。
ちょっとした言葉の選び方や、確認のタイミングひとつで、チームがうまく回ることもある。
小さな気づきを重ねていけるのが、Web制作の面白いところです。
疲れたとき、不安になったときは、ぜひ思い出してください。
「この業界、“同じことで困ってる人”、案外いっぱいいるなあ」と。
今日もあなたの現場で、新たな“あるある”が生まれているかもしれません。
でも、それを経験に変えながら、毎日ちゃんと前に進んでいる。
その姿こそがプロフェッショナルです。