なぜ修正指示はうまく伝わらないのか
意図した通りに仕上がらない“あるある”
「外注に修正を依頼したはずなのに、上がってきたデータが全然違う」
そんな経験、サイト制作を担当していると一度はあるのではないでしょうか。
メールで送った修正点を見落とされたり、チャットでのやり取りがすれ違っていたり。原因はひとつではありません。
よくあるのが、「情報のバラつき」です。
メール・チャット・電話・PDF・Wordファイル……
あちこちに指示が散らばってしまうと、外注先がどこを見ればいいのか分からなくなってしまいます。

制作の現場って、情報が“点在する”と一気に混乱しますよね。
また、「記録が曖昧」なのもミスを引き起こす原因になります。
電話や口頭での伝達は、内容が残らないため、聞き間違いや解釈違いが起こりやすくなりますよね。
その結果、こちらが「軽微な修正」と思っていた内容が、向こうには「仕様変更レベル」に聞こえてしまうこともあるのです。
同じ内容でも、受け取り方が違う
「チャットで送った指示と、メールで送ったファイルの内容が微妙に違った」
そんなケースも実際に少なくありません。
例えば、「画像はシンプルなものに差し替えてください」とチャットで伝えたとします。
この一文だけでは、「白背景の静的な画像」を想像する人もいれば、「余計な要素が少ない写真」だと受け取る人もいます。
どちらも“シンプル”という言葉の指示に従っているつもりでも、仕上がってくるものはまったく別のものになる可能性があるのです。

「伝えた=伝わった」になっていない場面、よくありますよね。
こうしたすれ違いが重なると、社内から「まだ終わらないの?」「何してるの?」といった声が上がり始めます。
担当者としては、ツールやチャネルを使って工夫しているつもりでも、結果的に手戻りが増えてしまえば、本末転倒です。
指示の「内容」より「伝え方」が大事な場面もある
修正指示では、もちろん内容そのものの正確さも大切です。
でも、それ以上に重要なのが「どう伝えるか」という部分です。
どれだけ丁寧に書いても、伝達手段や管理の仕方がバラバラだと、相手に正しく届かないことがあります。
特にホームページやLP制作など、複数人が関わるプロジェクトでは要注意です。
誰がどの指示をいつ出したか、その履歴が確認できなければ、作業の流れが止まってしまう可能性があります。
そこで大事なのが、ツールを活用して“伝え方”を整えること。
指示の中身が正確でも、相手が見落としたり誤解したりすれば意味がありません。
「どこを見れば何が分かるのか」が一目で分かる環境を作るだけで、制作チームや外注先とのやり取りはぐっとスムーズになります。
選ぶ前に知っておきたい!修正指示ツールの選び方
修正指示ツールを探していると、どれも魅力的に見えて「結局どれを選べばいいの?」と迷ってしまうこと、ありますよね。
特に、社内メンバーと外注先の両方とやり取りする立場にいると、全員が使いやすく、情報共有がスムーズにできるツールを選ぶことが重要です。
ツール選定のポイント
以下のポイントを基準に選ぶと、実際の業務で活用しやすいツールを見つけやすくなります。
☑操作が簡単で誰でも使えるか?
…複雑な操作や専門知識が必要なツールは、導入しても定着しにくいものです。
☑無料または低価格で始められるか?
…まずは試してみたいという場合、コストが抑えられるツールが安心です。
☑画像やテキストへのピンポイント指示ができるか?
…具体的な修正箇所を明確に伝えられる機能があると、誤解を防げます。
☑コメントの履歴が残るか?
…過去のやり取りを確認できると、進行中のプロジェクトでも安心です。
例えば、Figmaはデザインに特化したツールで、デザインカンプへのコメントは得意ですが、テキスト原稿の修正や構成変更などには不向きな面もあります。
そのため、情報の整理や一元化ができるツールを選ぶことが、修正ミスを減らす鍵となります。
修正指示がスムーズになるおすすめツール3選
AUN(あうん)|URLを入力するだけで修正指示が可能
AUNは、直感的な操作で修正指示ができるため、初めての方でも安心して利用できます。
特に、Webページの修正指示を迅速に行いたい場合に最適です。
■AUN 公式サイト:https://aun.tools/
・向いている場面:Webページの修正指示やバグ報告。
・使い方:修正したいページのURLを入力すると、ページ全体のキャプチャが生成されます。修正箇所をドラッグして囲み、コメントを追加するだけで指示が完了します。
・初期設定の簡単さ:会員登録不要で、すぐに利用を開始できます。
・注意点:無料プランでは、保存期間が7日間と短めです。長期間の保存が必要な場合は、有料プランの検討をおすすめします。
MONJI(モンジ)|画像やPDFへの修正指示が簡単に
MONJIは、画像やPDFへの修正指示が簡単にできるため、デザインカンプや資料の修正指示に最適です。
また、チャットツールとの連携が可能なため、コミュニケーションの効率化にも役立ちます。
■MONJI 公式サイト:https://monji.tech/ja/plus/
・向いている場面:デザインカンプやPDF資料の修正指示。
・使い方:修正したい画像やPDFをアップロードし、修正箇所をドラッグして囲み、コメントを追加します。修正依頼はURLで共有でき、チャットツールとの連携も可能です。
・初期設定の簡単さ:メールアドレスの登録のみで、すぐに利用を開始できます。
・注意点:無料プランでは、修正依頼を作成してから30日間、閲覧や編集が可能です。この期間を過ぎると、修正依頼へのアクセスができなくなります。有料プランに切り替えると、修正依頼の保存期間が120日間に延長されます。ただし、作成から120日を過ぎた修正依頼は、自動的に削除されるため、必要なデータは事前に保存しておくことをおすすめします。
Brushup(ブラッシュアップ)|多機能でチームのコラボレーションに最適
Brushupは、多機能でチームのコラボレーションに最適なツールです。
複数のファイル形式に対応しており、バージョン管理や進捗管理も可能なため、プロジェクト全体の効率化に役立ちます。
■Brushup 公式サイト:https://www.brushup.net/
・向いている場面:複数のファイル形式(画像、PDF、動画など)の修正指示やチームでのコラボレーション。
・使い方:修正したいファイルをアップロードし、修正箇所にコメントや手書きの指示を追加します。バージョン管理や進捗管理も可能で、チーム全体での作業がスムーズに進みます。
・初期設定の簡単さ:無料プランが用意されており、すぐに利用を開始できます。
・注意点:多機能な分、最初は操作に慣れるまで時間がかかる場合があります。必要な機能を絞って使い始めると良いでしょう。
まとめと感想
修正指示がうまく伝わらないと、社内外でのやり取りに時間がかかり、信頼関係にも影響を及ぼすことがあります。
メールやチャットだけでは限界があるため、専用のツールを活用して、
・コミュニケーションの質向上
・業務のスムーズな進行
・信頼関係の構築
を目指しましょう。
高価なシステムを導入しなくても、無料や低価格のツールも様々あります。
ツールを使いこなすというより、ツールに助けてもらう感覚で、お試し導入から始めてみてはいかがでしょうか。